【アポスティーユとは】提出先の国がハーグ条約に加盟しているかによって取得できるかが異なる/インドネシアは取得可能

【アポスティーユとは】提出先の国がハーグ条約に加盟しているかによって取得できるかが異なる/インドネシアは取得可能

海外での就職、留学、結婚などの際、日本で発行した書類の提出を求められることがあります。その際に重要になるのが「アポスティーユ」です。

聞きなれない言葉で戸惑う方も多いと思いますが、しっかりと準備をすれば問題ありません。今回はそんなアポスティーユについて行政書士が説明をしていきたいと思います。

アポスティーユは「本物の公文書」であることを証明してくれる

突然ですが、海外の文書をパッと見せられて本物かどうか見分けるのってとても大変ですよね。偽造した文書なのか本物なのか、よく分からないなんてことが頻発します。

それを解決するのが「アポスティーユ」です。アポスティーユとは日本で発行された文書を外国に提出する際に「この文書は本物ですよ」という証明を付与するものです。

通常は外務省の公印確認に加えて、提出先の国にある日本大使館・領事館の領事認証が必要で手続きが大変です。しかし、ハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)加盟国間では、この領事認証が不要になります。アポスティーユは、この公印確認と領事認証の両方の役割を担い、手続きを大幅に簡略化できる便利なシステムです。

アポスティーユが利用できる、ハーグ条約加盟国(抜粋)

  • インドネシア
  • アメリカ合衆国
  • イギリス(英国)
  • オーストラリア
  • カナダ
  • 大韓民国
  • 中華人民共和国
  • シンガポール
  • ニュージーランド

アポスティーユが利用できない、ハーグ条約非加盟国(抜粋)

  • マレーシア
  • ベトナム
  • カンボジア
  • ラオス
  • ネパール

非加盟国の場合は少し手続きが煩雑になります。この次の章で詳しく説明をしますね。

アポスティーユの対象となる書類

  • 公文書:
    戸籍謄本、住民票、卒業証明書、医師免許証、会社の登記簿謄本など
  • 私文書:
    会社の定款、履歴書、委任状など。これらの私文書は、事前に公証役場で公証人の認証を受けた後、アポスティーユの対象となります。

アポスティーユの取得方法

アポスティーユは、日本の外務省が発行します。手続きには、郵送と窓口での申請の2つの方法があります。

1. 郵送での申請

必要書類

①アポスティーユ申請書:こちらからダウンロード可能です。
②証明が必要な公文書の原本
③返信用封筒:切手を貼り、宛名を記入したもの。

手順

①必要書類をすべて揃え、外務省の領事サービス室または大阪分室宛てに郵送します。
②書類に不備がなければ、数日から1週間程度でアポスティーユが付与された書類が返送されます。

2. 窓口での申請

受付場所

①外務省 領事サービス室(東京)
②外務省 大阪分室

手順

①必要書類をすべて揃えて持参し、窓口で申請します。
②書類に不備がなければ、即日または数日後に交付されます。

ちなみに住所はそれぞれ下記の通りです。

外務省の領事サービス室
〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1 外務省南庁舎1階
外務省 領事局領事サービスセンター 証明班

大阪分室
〒540-0008 大阪府大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎第4号館4階
外務省 大阪分室証明班

ハーグ条約非加盟国の場合はどうすればいい?

提出先の国がハーグ条約に加盟していない場合は、残念ながらアポスティーユは利用できません。しかしこの場合でも二段階の認証手続きを行えば大丈夫です。

公文書の認証手続き

公文書(日本の公的機関から発行された文書)を海外で使うには、以下の手順で外務省の公印確認と提出先の国の大使館・領事館の領事認証を取得します。公文書とはこちらのような書類です。

  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 会社の登記簿謄本

ステップ1:外務省での公印確認

手続き概要:日本の公文書が偽造でないことを外務省が証明します。これは、アポスティーユとは異なり、次に説明する「領事認証」を受けるための前提となる証明です。

申請場所:
外務省 領事サービス室(東京)または大阪分室。郵送でも申請可能です。

必要書類:
証明が必要な公文書の原本
公印確認申請書:こちらからダウンロードできます。
手続き後の流れ:書類に公印確認が押印された後、次のステップに進みます。

ステップ2:提出先国の大使館・領事館での領事認証

手続き概要:日本の公文書が提出先の国でも有効な書類として認められるよう、提出先の国が日本に置く大使館や総領事館が認証を行います。

申請場所:
提出先国の駐日大使館・総領事館

必要書類:外務省の公印確認済みの公文書(ステップ1で取得)
各大使館・領事館が指定する申請書
パスポートなどの身分証明書

私文書の認証手続き

私文書(公的機関以外で発行されたもの)は公文書に比べ、少し手続きが多くなります。頑張りましょう!まず公証役場での認証が必要となります。私文書とは例えばこのような書類です。

  • 学校の卒業証明書
  • 契約書
  • 医師の診断書

ステップ1:公証役場での公証人認証

手続き概要:公証人が私文書に記載された署名が本物であることを証明します。

申請場所:
最寄りの公証役場

必要書類:
認証が必要な私文書
身分証明書(パスポート、運転免許証など)
会社関係書類の場合は、代表者の資格を証明する書類(履歴事項全部証明書などが必要です)書類に公印確認が押印された後、次のステップに進みます。

ただし必要書類は公証役場によって異なる場合がありますので、詳しくは利用予定の公証役場でご確認ください。ちなみに霞が関公証役場はこのような感じです。

ステップ2:法務局での公証人押印証明

手続き概要:公証人が押印した印鑑が、所属する法務局に登録されているものであることを証明します。

申請場所:
公証人が所属する法務局こちらで確認できます

必要書類:公証人認証済みの私文書

ステップ3:外務省での公印確認

手続き概要:公証人押印証明が付された書類に対して、外務省が公印確認を行います。

申請場所:
外務省 領事サービス室(東京)または大阪分室。

必要書類:法務局での証明済みの私文書

ステップ4:提出先国の大使館・領事館での領事認証

手続き概要:外務省の公印確認を受けた書類を、提出先の国の大使館や領事館が認証します。

申請場所:
提出先国の駐日大使館・総領事館

必要書類:外務省の公印確認済みの公文書(ステップ1で取得)
各大使館・領事館が指定する申請書
パスポートなどの身分証明書

このように、ハーグ条約非加盟国への提出は、公文書・私文書ともにアポスティーユよりも複雑な手続きとなります。難しい場合はお気軽に行政書士までご相談ください。

まとめ アポスティーユはハーグ条約加盟国ができる便利な認証システム

アポスティーユは国際結婚や海外留学、海外でのビザ取得など、海外で暮らしている方にとっては意外と身近な手続きです。ハーグ条約加盟国のみの手続きですが、非加盟国であっても外務省の公印確認と提出先の国の大使館・領事館の領事認証で代替できますのでご安心ください。

もしご不安な場合はぜひアンドレ行政書士事務所までご相談くださいね。

この記事の著者・監修者
アンドレアス茉里名
アンドレアス茉里名

アンドレ行政書士事務所/在留ビザ・帰化サポート錦糸町 代表行政書士

・日本行政書士会連合会(登録番号第25081551号)

・東京都行政書士会(会員番号第15812号)

夫がインドネシア人。自身も1年間インドネシアに留学。好きな食べ物はSoto Ayam。

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