帰化申請で【不許可】になる事例とは?知っておきたい具体事例と対策

帰化申請で【不許可】になる事例とは?知っておきたい具体事例と対策

「膨大な量の書類をやっと揃えて帰化申請したのに、まさかの不許可…」

こういった事態は避けたいですよね。帰化申請は用意する書類の量も膨大ですし、審査期間も1年半長期になるため確実に許可を得るための準備をしてから申請することをオススメしています。

しかし多くの方はどういった点で帰化が不許可になるのでしょうか?今回は具体的な不許可事例を交えながら、どういった部分に気をつけるべきかを解説します。不安な点がある方はお気軽にアジア人の在留資格・帰化を専門とするアンドレ行政書士事務所までご相談くださいね。

帰化申請は7つの条件をクリアする必要がある

帰化申請で許可を得るには、こちらの7つの条件を全てクリアする必要があります。条件のいずれかを満たしていない場合は不許可となります。

  1. 居住条件(日本に長く住んでいるか)
  2. 能力条件(成人しているか)
  3. 素行条件(真面目に暮らしているか)
  4. 生計条件(生活するためのお金が稼げているか)
  5. 重国籍防止条件(母国の国籍を抜けられるか)
  6. 憲法遵守条件(危ない思想を持っていないか)
  7. 日本語能力(日本語が話せるか)

それでは具体的な不許可事例を見ながら、審査上のポイントを確認しましょう。

1. 居住条件(日本に長く住んでいるか)に関する不許可事例

居住条件は、「引き続き5年以上日本に住所を有し、うち3年以上は就労していること」が原則です。

出国日数が多く居住条件がリセットになってしまった事例

外国人のAさんは、日本で働くために来日し、順調に5年間居住していました。しかし日本に住んで5年目の途中で実家の家族が病気になったため、母国に連続して約4ヶ月間帰省しました。帰国後すぐに帰化申請を行いましたが、「継続して日本に住んでいる」という条件を満たさないと判断され不許可となってしまいました。

一度に90日以上連続して海外に出国しているか、年間で100日以上海外にいる場合は居住期間がリセットされるため注意が必要です。仕事や家族の病気などどんな理由であってもリセットになりますので、帰化申請を検討している方はご注意くださいね。

就労期間が足りなかった事例

日本に住んでいるだけではなく、就労していることも重要な条件です。 外国人のBさんは、日本の専門学校を卒業後、日本の企業に就職し、合計で7年間日本に住んでいました。しかし、そのうちの約6年間は留学生ビザで、就労ビザを取得して働いていたのは1年のみだったため不許可になりました。

日本に5年以上住んでいても、そのうちの3年間を就労系の在留ビザで過ごしている必要があります。また特定技能1号や技能実習生としての期間は就労期間には含まれませんので、技術・人文知識・国際ビザや特定技能2号などの就労系ビザである必要があります。

しかし10年以上日本に住んでいる場合は特別に1年以上の就労で帰化申請が可能になります。また日本人配偶者のビザで日本に在留している方も「①婚姻の日から3年以上経過しており日本に1年以上住んでいる」、もしくは「②3年以上日本に住んでおり日本人と結婚している」という条件を満たせれば例外的に帰化申請ができます。

能力条件(成人しているか)に関する不許可事例

能力条件は、「本国法及び日本法で成人の年齢であること」が求められます。日本では18歳で成人を迎えますが、母国での成人年齢がより高い場合は注意してください。

母国での成人年齢を超えていなかった事例

外国人のCさんは日本で20歳を迎え、日本の法律上は成人でした。しかし、母国の成人年齢は20歳であるため、日本で申請した時点ではまだ満20歳に達していなかったのです。結果として、日本の成人年齢(18歳)は満たしていても、母国の法律で成人年齢に達していなかったために不許可となりました。

しかし未成年だから絶対に帰化ができないわけではありません。親と一緒に帰化申請をする場合や未成年であっても既婚者である場合、両親のどちらかが日本人である場合など特殊なケースにおいては未成年でも帰化申請ができます。

素行条件(真面目に暮らしているか)に関する不許可事例

素行条件とは簡単に言うと「日本のルールを守って真面目に暮らしているか」ということです。この項目で不許可になるケースがかなり多いので、帰化を検討している方は特に気をつけるようにしてくださいね。

税金や年金を支払っていなかった事例

外国人のDさんは会社員として働いていましたが、住民税の納付を数ヶ月滞納してしまいました。その後、全てを支払ったものの過去の滞納履歴が原因で帰化申請が不許可となりました。

外国人のEさんは自分の年金はきちんと支払っていました。しかしEさんの妻は会社を退職後に一時的に国民年金に切り替えるのが面倒だったので、特に年金には加入せず数年間国民年金の保険料を未納にしていました。配偶者が年金を払っていなかったため、Eさん本人はしっかり年金を支払っていても帰化は不許可になりました。

このように税金や年金を支払っていない場合は帰化申請が不許可になります。また注意すべきなのが家族です。本人がしっかりと遅滞なく支払いをしていても、家族が税金を払っていない場合は帰化ができません。また転職の際に期間が空いた方も要注意です。保険の切り替えが適切に行えていない場合は、自分では問題ないと思っていても年金や保険料の未納が生じている可能性があります。

交通違反を繰り返していた事例

こちらも注意が必要です。外国人のFさんは毎日の通勤で車を運転しており、過去2年間に一時不停止やスピード違反で3回交通違反の記録がありました。それぞれは軽微な違反でしたが違反の回数が多かったため、素行不良として帰化申請が不許可となりました。

軽微な交通違反であっても数が多いと帰化申請が不許可になります。目安としては過去2年で3回以上、もしくは過去5年で4回以上でアウト。

さらに飲酒運転や無免許運転で罰金刑を受けていたり、人身事故を起こすなど重大な交通違反を起こした場合はそれだけで帰化が不許可になる可能性が高いです。また物損事故の場合は示談が行われていることが帰化の条件です。示談は保険会社が行ってくれているはずなので、帰化申請の際には示談書を追加資料として提出することになります。

犯罪歴やオーバーステイ歴があった事例

外国人のGさんは過去に軽微な窃盗罪で罰金刑を受けたことがありました。すでに数年が経過していましたが、この犯罪歴が影響し帰化申請は不許可となりました。

また外国人のHさんはオーバーステイで在留特別許可を受けた過去があるが、その後十分に期間が経過していなかった(目安として10年)ために不許可になりました。

このように犯罪歴やオーバーステイ歴がある場合の帰化は極めて困難です。重大な犯罪であれば、より長い期間帰化ができなくなります。また騒音トラブルで警察沙汰になってしまったり、借金の返済遅延・自己破産などは同様に帰化申請の審査上はマイナスになります。警察のお世話になること、お金の支払いが遅れることはNGという風に覚えておきましょう

素行要件に関しては永住ビザに関しても同様、もしくはそれ以上に厳しく見られます。

生計条件(生活するためのお金が稼げているか)に関する不許可事例

生計条件とは「自分や家族が日本で暮らしていくために必要なお金が安定して稼げているか」という条件です。

年収が足りなかった事例

外国人のIさんは1人暮らしで年収が200万円程度でした。帰化申請に必要な年収目安の300万円を大幅に下回っていたため、安定した生計を営めないと判断され不許可となりました。

帰化をするには1人暮らしの場合で年収が300万円(手取りは月20万円以上)必要だと言われています。しかし年収が少なくても不動産収入がある場合や配偶者の年収が高い場合は、帰化の許可が出るケースもあります。一方で生活保護を受けている場合や、収入が不安定な場合は不許可になる可能性が高いです。

帰化申請の直前に転職をしていた事例

帰化申請の直前に転職をしている場合は仕事が安定しているかの判断ができず不許可になりやすいです。外国人のJさんは転職したばかりでしたが、前職よりも年収が上がったので転職後2ヶ月で帰化申請を行いました。確かに高収入ではありましたが、現在の会社に転職してから1年未満で申請したために、仕事の安定性が確認できないと判断され不許可となりました。転職直後はその会社が合わずにすぐ辞めてしまう可能性があるため、安定性があると判断できないためです。

本国に扶養家族がいる場合も注意が必要です。タイ国籍のKさんは、本国に両親を扶養していると申告していましたが、定期的な送金の記録がほとんどなかったため、扶養の実態がないと判断され不許可となりました。税金対策のために扶養に入れていると疑われたために不許可になることもあります。扶養家族への送金は、実際にその家族を養っている証拠となるため、送金証明などの提示が求められます。

重国籍防止条件(母国の国籍を抜けられるか)に関する不許可事例

日本は原則として重国籍を認めていないため、帰化許可後には本国の国籍を離脱する必要があります。

国籍の離脱ができる国であっても時間がかかる場合があります。長い国だと国籍離脱に1年以上かかる場合があるため、帰化もその分遅くなってしまいます。しかしこれは仕方がないのでゆっくり待ちましょう。

憲法遵守条件(危ない思想を持っていないか)に関する不許可事例

こちらの条件で不許可になることは滅多にありませんが、日本国憲法を守る意思があるかも帰化の条件です。

反社会的勢力に関与していた事例

外国人のLさんは過去にある団体の活動に関与しており、その団体が暴力的な思想を持っていると判断され、不許可になりました。

過去に暴力団組織に関与していたり、反社会的な活動を行っていたことが判明すると帰化申請は不許可になります。親族や仲の良い友人が暴力団など反社会的勢力の場合も帰化はできません。

日本語能力(日本語が話せるか)に関する不許可事例

国籍法には明記されていませんが、N3〜N4程度(小学校3年生〜4年生程度)の日本語を話せることも帰化申請の条件です。

日本語能力が足りなかった事例

外国人のMさんは日本で長く暮らしていましたが、職場で日本語を使う機会が少なく日常生活での会話はできても文章の読み書きは苦手でした。帰化申請時の面接でも法務局担当者からの質問を十分に理解できず、また簡単な漢字の読み書きテストも不合格だったため、日本語能力が不足していると判断され不許可となりました。

日本語能力試験(JLPT)に合格している必要はありませんが、その場合は法務局で基本的な日本語テストが行われる場合があります。また帰化申請においては必ず日本語での面接審査が行われるのですが、その際にも日本語能力がテストされていますのでスピーキングに関してもぜひ練習をしておいてくださいね。

不許可を避けるために:行政書士への相談がオススメ

今回は帰化申請が不許可となる理由を事例を交えて解説しました。この他にも申請書類に不備があったり、帰化の条件を本当はクリアしているのに書類の説明が不足していて不許可になってしまう惜しいケースもあります。

行政書士であれば申請書類の不備や説明不足を起こさず申請できるほか、適切な追加書類を用意してあなたの帰化をより確実にすることもできます。「確実に帰化できるか心配…」「自分1人だと書類を全て用意できる気がしない…」という方はぜひ行政書士までご相談ください。

アジア人の在留資格・帰化を専門とするアンドレでは、お客さま1人1人の状況を丁寧にヒアリングし帰化の可能性を最大限に高めるサポートをさせていただきます。ぜひお気軽にご相談くださいね。

この記事の著者・監修者
アンドレアス茉里名
アンドレアス茉里名

アンドレ行政書士事務所/在留ビザ・帰化サポート錦糸町 代表行政書士

・日本行政書士会連合会(登録番号第25081551号)

・東京都行政書士会(会員番号第15812号)

夫がインドネシア人。自身も1年間インドネシアに留学。好きな食べ物はSoto Ayam。

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    1時間も手間も最低限に

    ビザ申請は書類の準備や手続きが煩雑で時間がかかりますし、ご自分で申請する場合は平日入管に行く必要があります。
    しかしプロである行政書士に依頼をしてくだされば、皆さまは指定された書類を集めるだけ。
    特に、お忙しい方や手続きに不慣れな方はぜひ行政書士におまかせください。

    2ビザ取得や帰化の成功率アップ

    ビザ申請は専門的な知識が必要です。 特に外国人のビザ申請や帰化を専門とする行政書士はビザ申請に関する豊富な知識を持っており、正確かつスムーズな手続きが可能です。
    また過去の事例に基づくアドバイスや最新の法改正への対応もしているため、ご自分で申請するよりビザ取得の成功率がアップします。

    3精神的な負担を軽減

    ご自分でビザや帰化の申請をする場合は「自分のビザが許可になる可能性がどのくらいあるのか」が分からず不安になる方が多いと思います。
    行政書士は今までの経験や知識から、あなたのビザが許可・不許可になる可能性がある程度予想した上で許可率を高めるためのアドバイスができます。
    そのためご自分でするよりも安心感を持って申請ができます。

    当事務所の強み

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    アジア人の
    ビザ・帰化に強い

    多くの行政書士事務所は、複数ある業務のうちの1つとして「ビザや帰化」に申請を行います。
    しかし当事務所は「ビザや帰化」に専門特化しており、それ以外の業務は行いません。また国籍もアジア出身の方のみを扱っておりますので、ノウハウが他事務所に比べて圧倒的に溜まりやすいです。

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    日本中どこでも対応可能

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